社会人権

人権に関する基本的な考え方

人には生まれながらにして人間らしく生きるための権利(人権)があり、その尊重は企業の責務です。

当社グループが事業で使用する原薬等の原材料調達先は国内外に及ぶことから、自社のみならずサプライチェーンも含めた人権の保護・尊重・救済への取り組みが求められていることを認識しています。このため、人権に関するすべての法令を遵守することはもちろんのこと、国際的に宣言されている人権の保護を支持・尊重し、人種、性別、国籍、民族、宗教、思想あるいは政治的意見、性的指向、疾病、障がいの有無等のいかなる差別にも反対し、一切の人権侵害に関わらないことを行動基準に定めています。また、取引先に求める行動規範・ガイドラインの整備や協力を要請することにより、取引先と当社グループが共存共栄で持続可能なビジネス推進を目指しています。

サワイグループ行動基準
第6章 社会とともに
3. 人権の尊重

国際的に宣言されている人権の保護を支持・尊重し、人種、性別、国籍、民族、宗教、思想あるいは政治的意見、性的指向、疾病、障がいの有無等のいかなる差別にも反対し、一切の人権侵害に関わりません。

当社グループは、生命に深い関わりを持つヘルスケア企業として、患者さんはもとより、国内外の社員、取引先を含むさまざまなステークホルダーの人権尊重に努め、「国連人権章典」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原および権利に関する宣言」を支持し、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」に則った取り組みを推進しています。

この考え方は、当社グループのすべての役員および社員に適用されます。また、当社グループのビジネス・パートナーとの対話を通して、同様に人権尊重に取り組まれることを期待するとともに、働きかけていきます。

主な人権課題への取り組み

子どもの権利の尊重

当社グループは、「児童の権利に関する条約」および「子どもの権利とビジネス原則」を支持し、児童労働の根絶のみならず、子どもの権利を尊重しつつ事業活動を実施することに努めます。

児童労働・強制労働の禁止

当社グループでは、児童労働や強制労働を禁止しており、これまでも発生していません。サプライチェーンにおいても、グループ各社の購買ガイドラインにおいて、強制労働や児童労働の禁止を定めており、すべてのお取引先様に人権への配慮をお願いしています。

結社の自由の尊重

当社グループでは、労使関係における結社の自由と団体交渉権を尊重しています。

先住民の権利の尊重

当社グループは、事業活動を行う国や地域の法律や「先住民の権利に関する国際連合宣言」、「国際労働機関(ILO) 第169号条約」等の国際的な取決めに定められた先住民の権利を尊重し、先住民が固有の文化や歴史を持つことを認識し、配慮を行っていきます。

現代奴隷および人身売買への対応

当社グループは、サプライチェーンおよび事業活動において現代奴隷および人身売買が発生しないための取り組みに尽力しています。国連グローバル・コンパクトを参照し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の考え方を事業活動に反映しています。

外国人への配慮

当社グループは、サプライチェーおよび事業活動で、外国人労働者・実習生・研修生等の受入れを行っている場合、社会的・経済的地位が低いこと等により、不法行為の対象者となりやすく、人権の尊重および救済の観点から、当該国の労働関係法令を遵守し、受入れ制度の趣旨に反する行為が行われないよう、十分留意します。

公正な処遇・賃金

当社グループでは、すべての社員は個人ごとの評価に基づいて公正かつ適正に処遇され、具体的賃金額は、最低賃金の定めを遵守するとともに、それを上回る賃金を支払うことを基本としています。また、同一労働・同一賃金の原則に沿った対応を進めており、同等の労働に対して性別や年齢による格差はありません。

臨床試験における人権配慮

当社グループの事業子会社において、臨床試験に先立ち、試験計画の倫理性・科学的妥当性を社内治験審査委員会にて慎重に審議しています。試験実施に際しては、被験者本人の自由意思による同意を得るとともに、医薬品医療機器等法などの関係法規、さらにはヘルシンキ宣言やICHガイドラインなどの国際的に認められている臨床試験に関する基準が遵守されているかの監視・監督を行い、被験者の人権保護に努めています。

人権デュー・デリジェンス

当社グループでは、人権への負の影響を特定し、防止または軽減し、適切かつ効果的な救済措置を講じるために、人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築し、継続的な実施に向けて取り組むよう努めます。今後、人権侵害の負の影響評価や当社グループが優先的に取り組むべき人権テーマを特定したのち、人権デュー・デリジェンスの運用を当社グループのみならずサプライチェーンも含め拡大・適用していく計画です。

公正な採用の実施

当社グループでは、人種・国籍・宗教・年齢・性別・障がいなどに基づく差別をすることなく、本人の能力と適正のみを基準とした、厳正かつ公正な採用活動を行っています。多様な価値観やスキルを持った人財を採用することが、社会と当社グループの持続的な成長につながると考えています。

各種ハラスメントへの対応

当社グループでは、ハラスメントのない働きやすい職場環境を構築するため、「就業規則」において、ハラスメントなどの言動を行うことを禁止しています。また、すべての役職員に対して、セクシャルハラスメントやパワーハラスメント等の禁止について、定期的に研修によって注意喚起を行い、これらを未然に防ぐように努めています。

2023年には、カスタマーハラスメントの抑制を図り、当社グループ社員の安全な職場環境を確保するため、カスタマーハラスメントの具体的な対応方針を策定しました。

苦情処理対応

当社グループでは、ハラスメント等人権に関するものを含むあらゆる相談・通報について、「企業倫理ヘルプライン」を設置して通報・相談者の秘密保持、プライバシーの尊重や通報・相談者に対する報復の禁止に配慮しながら、必要に応じて調査を進めたうえで、適切に対応しています。また、社内からの内部通報のみならず、取引先等外部からの通報に対しても同様の趣旨に配慮して対応するよう努めています。

是正対応

当社グループの事業活動が、人権に対する負の影響を引き起こした場合には、社内外を問わず、人権侵害の状況の把握と原因究明に努めるとともに、被害が拡大しないよう速やかに適切な手続きを通じてその是正に取り組みます。また、被害者の救済のために必要な措置を行い、再発防止策を実施します。被害者のプライバシーや個人情報に配慮し、是正措置等の必要な情報を開示し、再発防止のための学習、予見可能性および透明性等の確保を図ります。

取締役会の関与

当社取締役会は、当社グループの重要な人権課題への対応や人権尊重に関する基本的な考え方について、報告を受け、審議を行い、適切な改善措置を示すなど、監督する責任を負います。人権の保護・尊重・救済は広範にわたるため、コンプライアンス委員会、人事部門、法務部門等の複数部署が役割を分担し、協働して取り組んでいます。経営トップは、人権尊重に関するメッセージを定期的に発信する等、率先して人権尊重意識が企業文化に根付くように努め、関係部門の取り組みを把握し、適切な指導・管理を行っています。