サステナビリティ人権・人財

サワイグループは、「人権の尊重」「社員の健康・労働環境への配慮」「公正・適切な処遇」について行動基準に定め、積極的・能動的に取り組んでいます。

人権の尊重

人には生まれながらにして人間らしく生きるための権利(人権)があり、それは公共の福祉(社会全体に共通する利益)により必要最低限の制限を受けることはありますが、最大限に尊重されるべきものと考えます。当社グループは、国際的に宣言されている人権の保護を支持・尊重し、人種、性別、国籍、民族、宗教、思想あるいは政治的意見、性的指向、疾病、障がいの有無等のいかなる差別にも反対し、一切の人権侵害に関わらないことを行動基準に定めています。

当社グループは、生命に深い関わりを持つヘルスケア企業として、患者さんはもとより、国内外の社員、取引先を含むさまざまなステークホルダーの人権尊重に努め、「国連人権章典」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」を支持し、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」に則った取り組みを推進しています。

人権尊重の取り組み

当社グループ会社においては、社員と労働組合を重要なステークホルダーとして認識し、ユニオンショップ制(社員は原則全員組合員であること)の下で、健全かつ良好な労使関係を維持しています。社員に万一不祥事が発生した場合においても、人権尊重の観点から恣意的な懲罰運用を行わず、就業規則等社内規則に従った取り扱いを行い、当事者に弁明の機会を与えたうえで、賞罰委員会にて措置を決定します。

また、人種、性別、国籍、民族、宗教、思想あるいは政治的意見、性的指向、疾病、障がいの有無等のいかなる差別にも反対することを行動基準に明示し、人権意識の向上に努めています。
さらに、全社員を対象に毎年セクシャルハラスメント、パワーハラスメント等のハラスメントに関する教育を複数回実施し、社員のハラスメントに対する意識向上に努めています。

社員の健康・労働環境への配慮

1. 健康

当社は、経済産業省および日本健康会議が共同で優良な健康経営を実践している法人を認定する「健康経営優良法人2023」に選定されました。その他、日経スマートワークやESG評価機関からも社員の健康・労働環境への配慮に対する一定の評価を得ています。

「より良い医薬品は心身ともに健康的な職場から生まれる」という考えのもと、「心身の健康づくり計画」にそって、社員の健康維持・向上を図り、カフェテリアプランを活用した健診補助等、健康増進のための支援制度も整備しています。
また、ヘルスケアカンパニーの一員として、休憩時間を含む勤務時間中の禁煙を就業規則に定め、喫煙社員に対しては禁煙治療補助を実施しています。
その他、安全で衛生的な職場環境を推進するため、各拠点に専任保健師を配置し、産業保健活動の連携に努めています。

2. 労働環境

当社グループでは、「フレックスタイム規程」「在宅勤務規程」「育児休業規程」「介護休業規程」「うつ病等社員の復職支援に関する規程」等、さまざまな規程を整備し、働き方の多様化への対応や復職支援を行っています。また、中高年の社員の多様なキャリアプランに応じたさまざまな勤務体系や選択退職を自ら選べる制度(キャリア支援制度)を新設しました。
労働環境の変更・改善に当たっては、労働組合から「労使労働時間委員会」や職場会を通じて意見を聴取し、健全な労使関係の維持・向上に努めています。

また、労働組合とも連携し、有給休暇の取得しやすい職場環境作りに取り組んできました。着実に有給休暇の取得率は向上しています。

有給休暇取得率

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
68.5% 74.6% 75.0% 72.9% 71.1% 80.5%

近年の急激な業務拡大に伴う人員増加の一方で、一時期離職率も上昇傾向にありました。しかしながら、社員の定着率を高める人事制度の改定(工場正社員の正社員化等)の施策効果もあり、離職率はピークを越えたと認識しています。

離職率

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
4.8% 5.6% 5.7% 2.8% 3.3% 3.1%

3. 介護・出産・育児への配慮

介護休暇・産休・育児休暇の取得者数は着実に増加しています。出産後は通常の育児休暇制度の中で、3歳に満たない子を養育する社員に対するエンジェル・フレックスタイム勤務制度、小学校3年生までの子を養育する社員向けのキッズ・フレックスタイム勤務制度等、復帰後も業務と育児の両立がしやすい制度支援を行っており、ほとんどの社員が職場復帰を果たしてくれています。

介護・産休・育休取得者数

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
介護 2 0 4 3 0 1
産休 39 36 44 40 38 32
育休 57 65 74 74 42 49
合計 98 101 122 117 74 82

公正・適切な処遇

当社グループでは、今後の持続的成長に向け、社員一人ひとりの潜在的な能力を発揮できる環境整備を行うことが何よりも重要だと考えています。よって、社員一人ひとりの能力開発を後押しすべく、評価や等級・昇格、処遇、配置・異動、人財育成などの人事制度に関し、社員に高めてもらいたい能力を定義した「能力要件定義」の内容をもとに、各制度が組み立てられています。

この制度を礎に「社員の個性と能力こそ最大の財産」という考えに基づいて、意欲と能力溢れる人財が存分に活躍できる舞台を提供し、透明で公平・公正な評価と処遇を行います。人事評価に対するアンケートの実施と結果分析に加え、社員意識調査を実施し、課題改善に活用しています。

多様性の確保

女性・外国人・中途採用者等の異なる経験・技能・属性等を反映した多様な視点や価値観を尊重し、その活用により企業価値向上を図る必要があると考えています。そこで、ダイバーシティを積極的に推進することで、新たな発想や価値を創造するとともに、相互の立場を尊重したコミュニケーションとチームワークによる、風通しの良い一体感のある企業風土づくりに取り組んでいます。
また、当社グループにおけるダイバーシティの推進は、性別や人種だけでなく、年齢、性格、価値観、障がいの有無等の多様性を受け入れ、人財活用することによって、さまざまな価値観に基づく新たな発想や価値創造を通じて生産性を高めることを目指します。

しかしながら、当社グループの社員の男女構成比に鑑み、女性管理職比率が少ないことは認識しております。そこで、中核会社である沢井製薬における女性管理職比率を2024年までに8%に引き上げる目標を設定しています。
また、障がい者雇用率は法定雇用率を上回っている状況にあり、さまざまな障がいをもつ方に対して、能力発揮の場を提供しています。

女性管理職比率(沢井製薬のみ)

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
5.5% 6.0% 6.1% 5.8% 6.6% 6.9%

障がい者雇用率(沢井製薬のみ)

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
2.13% 1.80% 1.78% 2.48% 2.38% 2.57%

人財育成方針

当社グループを支えるのは「人」です。そのため、当社グループでは「人材」を「人財」と表しています。事業環境が極めて不透明かつ刻々と変化する中、競争に勝ち抜くためには、多様な視点を持ち、状況変化を素早く感じ取って自ら判断し、自律的に行動に移せる人財が必要であると考えています。社員一人ひとりが「sawaiの代表」であるという自覚のもと、プロフェッショナルとして自己研鑽に努め、向上心と変革意欲を持って挑戦し続けなければなりません。

そのような人財を育成するために、当社グループでは、従来型の集合研修や通信教育に加え、Sawai Web SchoolやSawaiオープンスクールといった新しいコンテンツを充実させ、社員のスキルアップ支援を行い、人財の強化・育成を推進しています。

1. 研修体系

職種や等級ごとに求められる発揮能力や期待役割行動等を定めた能力要件定義書を元に、年次別・等級別の階層別研修(必須)を下図のとおり設けています。それに加えて、eラーニングによるSawai Web School、社外研修のSawaiオープンスクールや多岐にわたる通信教育講座等、さまざまな形態の自己選択型研修(任意)を設けており、社員の自律的な能力開発を支援しています。

研修体系

2. 研修受講者数

近年、学習場所や時間帯の自由度が高いオンライン型をはじめ、全社的な研修メニューを大幅に拡充したことにより、大幅に受講者が増加しています。

研修受講者数

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
579 654 600 4,038 2,840 4,034

社内環境整備方針

当社グループでは、多様性の確保に向けた社内環境整備として、次のような方針を掲げ、順次取り組んでいきます。

方針

  • 階層別研修において、多様性確保の重要性を理解促進させる内容を取り入れる。
  • 採用後の多様な活躍を見据えた人財採用・人財配置を行う。
  • 障がい者の方にとって働きやすい環境づくりを進める。
  • 女性リーダー意識向上・キャリア育成研修を実施する。
  • 多様性の尊重が図られた働きやすい職場環境にあるか、定期的な監査を行う。
  • 長期的な企業価値向上の観点に基づく多様な候補者選抜と教育・育成を計画的に行う。
  • 経営陣トップが多様性の確保に向けたメッセージを定期的に発信する。
  • 多様性の確保に向けた人事制度の充実、評価への反映を検討していく。

女性・外国人・中途採用者等、多様性確保に向けた実施状況については、ESGデータをご覧ください。

ESGデータ