グループについて価値創造プロセス

社会とともに持続的に発展する
ヘルスケア企業グループとして

当社グループは、ジェネリック医薬品業界のリーディングカンパニーとして、高品質なジェネリック医薬品の安定供給に努め、人々の健やかな暮らしを支えています。また、新規事業の開拓を進め、総合ヘルスケアカンパニーへの進化に挑戦しています。

(1)社会的課題…高まる“高品質かつ持続可能なヘルスケアサービス”の需要/【サワイグループ】(2)経営資本…サワイが培ってきた“6つの資本” (3)事業活動…ジェネリック医薬品事業・新規事業 (4)事業成果…社会と共存し、持続的な成長を継続/(5)社会に提供する価値…すべてのひとに高品質なヘルスケアサービスを/(6)目指す姿…なによりも健やかな暮らしのために
1社会的課題

高まる“高品質かつ持続可能な
ヘルスケアサービス”の需要

国民医療費の増大
国民医療費45.0兆円(2021年)
高齢化の進展にともない、日本の国民医療費は年々増大しています。2021年度には2000年度の約1.5倍にあたる45.0兆円に上っています。
超高齢社会
日本の人口に占める65歳以上の割合29.1%(2023年9月)
日本の総人口に占める65歳以上の割合は約3割。2070年には2.4人に1人が65歳以上になると予測されています。
安価で安全な医薬品へのニーズ
全都道府県でジェネリック医薬品の数量シェア80%以上(2029年度末までに)
医療費節減のため、国は「2029年度末までに全都道府県でジェネリック医薬品の数量シェアを80%以上とする」という目標を掲げ、さらなる使用促進に取り組んでいます。
医薬品の安定供給
国民の健康と命を守る医薬品不足が続き、中でもジェネリック医薬品の供給不足の早期解消が大きな課題になっています。
QOLへの関心の高まり
平均寿命と健康寿命の差 男性9年 女性12年(2019年)
人生100年時代を迎える中、健康に過ごせる健康寿命やQOL(生活の質)に対する関心が高まっています。
2経営資本(インプット)

サワイが培ってきた“6つの資本”

財務資本
R&I 信用格付A-(2024年3月末時点)
資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された最適な資本構成を維持することを基本方針としています。
製造資本
生産能力205億錠/年 生産拠点数7拠点(2024年7月時点)
当社グループは、業界最大規模の総敷地面積による業界トップクラスの生産体制を誇ります。
人的資本
従業員数3,037名 うち生産部門2,097名 うち研究開発部門297名(2024年3月末時点)
「個を育て、個を活かす」を人事の基本理念に、多種多様な考えを持った優秀な人財の確保と育成に努めています。
サワイGHD、沢井製薬、メディサ新薬、化研生薬、トラストファーマテックの合計
知的資本
保有特許53件(2024年3月末時点)
特許無効審判や特許訴訟の経験が豊富な人財と、社内外の特許データベースを駆使し、高度な特許戦略を実践しています。
社会・関係資本
薬剤師が好感を持つ後発品企業支持率※…14年連続1位
ジェネリック医薬品No.1メーカーとして、薬剤師の皆さまから高いご支持をいただいています。
2023年日経ドラッグインフォメーション調べ
3事業活動

ジェネリック医薬品事業 リーディングカンパニーとして、業界を牽引

ジェネリック医薬品事業の事業活動
ジェネリック医薬品事業の事業活動

サワイグループは、日本のジェネリック医薬品業界を牽引するリーディングカンパニーとして、高品質なジェネリック医薬品の安定供給に努め、人々の健康を支えています。安定供給を守る生産体制、付加価値のある製品を生み出すための研究開発、その製品の品質保証、そして、的確に情報をお伝えする情報提供。これらすべてにおいてより良いジェネリック医薬品の提供を目指しています。

詳しく知る

(2024年3月末時点)

研究開発

強み1原薬の性質や製剤技術に精通した人財による製剤技術力
研究開発費122億円(沢井製薬)
世界中から原薬や製剤の最新情報を収集し、国際ハーモナイゼーションに沿って開発できる製剤技術力は大きな強みです。さらに、将来の開発テーマに結び付く研究に積極的に挑戦し、製剤技術の蓄積・拡充に努めています。そこから生まれた一連の製剤技術「SAWAI HARMOTECH®」を通じ、患者さんや医療関係者の皆さまのニーズに合った医薬品の提供に努めています。また新技術ブランド「QualityHug®」は、「安全という意識を醸成する・安心を提示することができる技術」と定義し、自身の服薬や生活に対する「大きな安心の印象を受ける」きっかけとなる新規性の高い技術を選定しています。
強み2先発品の特許に関する調査分析力
保有特許53件(沢井製薬)
特許無効審判や特許訴訟の経験が豊富な人財と、社内外の特許データベースを駆使し、高度な特許戦略を実践しています。新たな課題に対しては、知財専門弁護士と連携し、最適な特許戦略を立案しています。近年は、米国や欧州の知的財産に関わる動きにも目を配り、日本での知財戦略にも活かしています。

調達

強み1新製品原薬の高い調査・調達力
調達先 世界30か国約500社から幅広く原材料を調達
新規開発用原薬は世界中から探索し、製造所や品質等を調査。サンプルを用いた分析・製剤試作等を行い、厚生労働省の基準よりも厳しい自主基準をクリアした原薬を使用しています。調査・調達は購買部門のスペシャリストとして、新薬メーカーや原薬商社の出身者、製剤の知識を有する者で構成する原薬企画グループがサポートしています。
強み2品質と安全性を第一にした原材料の選定・調達
製造所の監査数153回 原薬製造所・添加剤製造所・資材製造所・製剤製造所へ自社で実施している監査数
原薬メーカーの工場を査察し、適切な環境で製造していることや品質管理について適切な分析を行っていること、品質管理体制がサワイの基準に適合していることを確認しています。医療関係者の皆さまに安心してご使用いただけるよう、原薬の製造国と製造所の情報を公開しています。安定調達を目的に、原薬調達のマルチソース化も積極的に行っています。

生産・信頼性保証

強み1多品種少量生産に対応する製造ノウハウ
生産能力 約205億錠(サワイグループ)/製造承認品目数 約710品目(沢井製薬)
ひとつの機械で多くの品目を生産するジェネリック医薬品の製造では、主薬の混入を絶対に起こさないノウハウが不可欠です。
顆粒を錠剤に成形する打錠機の場合、品目の切り替えに丸1日程度かかることもありますが、サワイでは、清掃・洗浄の一つひとつの手順をバリデート(妥当性を検証)しながら、安全性を確保しています。こうしたジェネリック医薬品特有の製造工程でのバリデートと生産管理のノウハウが、多品種少量生産と品質の確保を両立させています。
強み2信頼される企業に向けて
毎月第3週目を法令遵守週間と定め、サワイグループ各社の役員を含む全従業員が、薬機法やGQP※1/GMP※2省令、製造管理や品質管理等を継続して学ぶ機会を持つことで、法令遵守や品質を大切にする文化の醸成に取り組んでいます。
またコンプライアンス教育等を通じて、風通しが良く誠実な組織風土を実現することで、信頼される企業を目指しています。
  1. ※1⾃社の製造⼯場や委託先製造業者がきちんとした製造管理・品質管理を⾏っているかをチェックする基準
  2. ※2Good Manufacturing Practiceの略。医薬品の製造および品質管理に関する国際基準

営業・マーケティング

強み1的確な情報提供
MR数 約370名(沢井製薬)
約370名のMR(医薬情報担当者)と、24 時間365日対応のお問い合わせ窓口「医薬品情報センター」、Webサイトの各窓口を通じて、患者さんと医療関係者の皆さまに情報を提供しています。MRは的確な情報提供活動を行うだけでなく、医薬品の副作用や安全性に関する情報を収集し、医療現場へフィードバックする役目も果たしています。
強み2豊富な製品ラインナップ
販売品目数 約800品目(沢井製薬)
サワイグループの製品のラインナップは、約800品目に上ります。多彩な品目を販売することで、幅広い領域・疾患にわたる情報の収集と提供が可能になり、医療関係者の皆さまの治療方針やニーズに幅広くお応えできるのが、強みです。
多品目を扱うゆえにMRは継続的な研修を通じて、幅広い知識を習得しています。また、豊富な製品ラインナップを持つからこそ、同一疾患の治療に対して複数の薬剤が提案でき、併用薬についてもより多くの提案が可能です。

新規事業 総合ヘルスケア企業として新領域を開拓

主力のジェネリック医薬品事業に加え、グループの持続的な成長を目指し、デジタル・医療機器などの新規事業の育成にも取り組んでいます。「人々の健やかな暮らし」を提供する総合ヘルスケア企業グループとして、未病・予防の分野から、薬物治療に加えて新たな選択肢の幅を広げるための治療分野まで、人々の健康への貢献を目指した挑戦を続けています。

  • デジタル・医療機器事業
    新たな治療手段として、ニューロモデュレーション機器や治療アプリ(DTx)、健康管理ツールとしてPHR管理アプリを提供
  • 健康食品事業
    「未病・予防」領域に事業を拡げ、健康寿命の延伸をサポートする商品を提供
  • 新規事業
    製剤技術力を最大限に活用し、希少疾患用医薬品(オーファンドラッグ)等、新たな治療機会を提供
4事業成果(アウトプット)

社会と共存し、持続的な成長を継続

中期経営計画「START 2024」の最終年となった2023年度は、国内ジェネリック医薬品のシェアと売上収益が拡大し、営業利益ともに大きく伸ばすことができました。また、設備投資を含め、将来の成長に向けた戦略投資を実施し、自社生産能力を205億錠へと拡大しました。
サワイグループにとって、「健全な社会の存在とその持続的な発展」こそが存立の基盤です。社会インフラとして、高品質なジェネリック医薬品を安定供給し続け、持続的な成長を継続していくことで、社会と共存し、ともに進化し続けることをこれからも目指していきます。

売上収益 1,769億円(2023年度実績)営業利益 186億円 /コア営業利益 239億円(2023年度実績)ROE 6.6%/ROIC 4.8%(2023年度実績)【ジェネリック医薬品事業】生産数量 159億錠(2023年度実績)新製品 10品目(2023年度実績)特許出願数 30件(2023年度実績)【新規事業】非侵襲型ニューロモデュレーション機器 製造販売承認を取得(日本初)(2023年度実績)NASH※ 治療アプリ フェーズ3試験開始 ※非アルコール性脂肪肝炎(2023年度実績)
5社会に
提供する価値
(アウトカム)

すべてのひとに高品質なヘルスケアサービスを

サワイグループの企業理念「なによりも健やかな暮らしのために」には、社会とともに持続的に発展するヘルスケア企業グループとして、ひとりでも多くの人々の健康に貢献していきたいという願いを込めています。この企業理念のもと、「医療アクセスの向上」「医療財政への貢献」「健康寿命延伸への貢献」「人財育成」を実現することで、「人々の健やかな暮らし」という価値を社会に提供していきます。

(2024年3月末時点)

医療アクセスの向上
販売数量157億錠(国内ジェネリック医薬品事業)
高品質で付加価値の高いジェネリック医薬品の開発・安定供給によって、医療アクセスの向上に努めています。
医療財政への貢献
医療費節減額2,939億円
高品質・高付加価値かつ低価格なジェネリック医薬品の製造・販売を通じて、医療費の増大という社会課題の解決に貢献しています。
健康寿命延伸への貢献
PHR(パーソナルヘルスレコード)管理アプリ 1,300以上の医療機関で活用
ジェネリック医薬品事業のみならず、デジタル・医療機器事業などの新規事業を通じて、健康寿命の延伸にも貢献していきます。
人財育成
従業員教育研修費用9,223万円
持続的成長を支える「人財」育成に注力しています。柔軟な働き方を推進し、女性管理職の継続的な育成にも取り組んでいます。
6目指す姿

“なによりも健やかな暮らしのために”

サワイグループでは、長期ビジョン「Sawai Group Vison 2030」において、2030年度に目標とする企業グループのイメージとして、「創りたい世界像」と「ありたい姿」を掲げています。「なによりも健やかな暮らしのために」という企業理念のもと、この2つのイメージの具現化に向けて、高品質なジェネリック医薬品を安定供給し続けるとともに、予防や診断領域まで含めた製品・サービスを提供することで社会課題の解決と社会の発展に寄与していきます。

【Sawai Group Vision 2030】創りたい世界像…より多くの人々が身近にヘルスケアサービスを受けられ、社会の中で安心して活き活きと暮らせる世界/ありたい姿…個々のニーズに応じた、科学的根拠に基づく製品・サービスを複合的に提供することで、人々の健康に貢献し続ける存在感のある会社