新規事業
主力のジェネリック医薬品事業に加え、グループの持続的な成長を目指し、デジタル・医療機器などの新規事業の育成にも取り組んでいます。「人々の健やかな暮らし」を提供する総合ヘルスケア企業グループとして、未病・予防の分野から、薬物治療に加えて新たな選択肢の幅を広げるための治療分野まで、人々の健康への貢献を目指した挑戦を続けています。
1.非侵襲型ニューロモデュレーション機器「レリビオン®」
片頭痛の急性期治療に用いる医療機器として、
国内初の製造販売承認を取得
片頭痛の急性期治療に用いる医療機器として、非侵襲型ニューロモデュレーション機器「レリビオン®」が、2023年12月に国内で初めての製造販売承認を取得しました。
ニューロモデュレーションとは電気や磁気などの刺激によって神経機能を調整する治療法のことで、「レリビオン®」は、頭部に装着して片頭痛の疼痛に関わる神経を電気刺激し、痛みを緩和します。今後、日本で独占販売し、薬物治療以外の片頭痛の急性期治療の選択肢をさらに広げていきます。
詳細については、プレスリリースをご覧ください。
https://www.sawai.co.jp/release/detail/625

担当役員メッセージ
患者さんへの新たな治療選択肢の提供につながると期待しています
- 上席執行役員 兼 グループ製品 戦略部担当役員 兼
グループ研究開発 副統括役員 兼 グループ製品 戦略部長 - 澤田 豊博

「レリビオン®」は、当社グループとして初めての医療機器事業の立ち上げであり、関係当局への相談及び薬事承認申請、QMS体制の構築など前例のない課題に対して、研究開発本部・信頼性保証本部をはじめとして全社で一丸となって取り組みました。2020年7月の検討開始から3年を超える期間を経て、薬事承認を得られたことを本当にうれしく思います。現在の薬物療法を中心とした片頭痛治療に対して新たな選択肢を提供できることは、片頭痛に悩む患者さん、医療従事者の方々に対して高い価値を提供できると考えています。
今回の取り組みを通し、ジェネリック医薬品事業に加えて医療機器を取り扱う体制を構築できました。今後は、様々な治療オプションの提供にも取り組むことでアンメットメディカルニーズを充足し、「なによりも健やかな暮らしのために」の実現に貢献することを目指します。
2. PHR 管理アプリ「SaluDi」
福岡県飯塚市で、健康なまちづくり形成を目指す
業種間連携型実証事業にアプリを提供
飯塚市と日本ウェルビーイングコンソーシアムの加盟企業が協働で実施しているPHRサービスを起点とした健康なまちづくり形成に関する実証事業に「SaluDi」を提供しています。
この事業は、「健康無関心層の取り込み」「特定保健指導のデジタル化」「地元企業との連携による健康経営の支援」を通じ、地域住民の健康増進を目指すプロジェクトで、「SaluDi」は、血圧や体重などのバイタルデータを記録及び蓄積する、健康管理のための アプリとして利用されます。
本事業には、飯塚市の190名が参加し、その72.8%が「健康を意識することが増えた」と回答し、健康意識の向上を実感したという結果が出ました。
詳細については、プレスリリースをご覧ください。
https://www.sawai.co.jp/release/pdf/640

3. 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)治療アプリ
生活習慣指導による治療効果が期待される
治療アプリの第3 相臨床試験を開始
(株)CureAppと開発及び販売ライセンス契約を締結した非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療アプリに関し、2024 年1月から国内第3相臨床試験を開始しました。NASHは進行すると肝がんなどに至るリスクがあるにもかかわらず、確立された薬物療法がなく、有用とされている食事・運動療法の継続が難しいことが課題となっています。
本アプリでは、患者さん個々に応じた学習コンテンツを通じて行動変容を促します。また、患者さん自身だけでなく、医師も患者さんの体重の変化などの記録を把握でき、最適な治療や生活指導が可能になります。第3相臨床試験では、生活習慣指導による治療効果が期待できると医師が判断した患者さんを対象に、本アプリによる48週間後の改善割合を検証します。
詳細については、プレスリリースをご覧ください。
https://cureapp.blogspot.com/2024/02/nashcureapp.html