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財務戦略(財務部長メッセージ)

グループ財務部長
辻井 潤

株主の皆さまの期待に応えるために、
事業ポートフォリオと資本政策を見直し、
経営基盤の強化に取り組みます

事業ポートフォリオと資本政策の見直し

当社においては、2021年度以降ながらくPBR1倍割れが継続しておりましたが、そのような状況から脱するべく、2024年1月に「事業ポートフォリオと資本政策の見直しについて」を公表しました。

事業ポートフォリオの見直しについては、資本コストを意識した経営を行うため、収益力が資本コストを下回る状況が続いていた米国事業からの撤退と、今後収益性向上が見込まれる国内ジェネリック医薬品事業への優先投資に取り組みます。

また、保有資産の抜本的な見直しとして、政策投資株式の半減と旧本社・大阪工場跡地等の遊休資産の売却も実行します。

さらに、経営上重視するKPIを「P/L(損益計算書)中心」から「B/S(貸借対照表)・C/F(キャッシュ・フロー計算書)を含めた資本コストをより意識したKPI」の積極活用へと見直します。

具体的には、ROEは10%以上、ROICは8%以上、Net D/Eレシオは0.4以下、自己資本比率50 %以上、DOE 3.0%以上を目指します。自己資本比率については、格付A-を維持するためには50%以上は必要と考えており、この格付けを保つ範囲において、デットファイナンスを活用していく考えです。

資本コストを意識した経営には、経営層だけでなく、社員一人ひとりが自分事として意識し、能動的に活動できるか否かが重要となります。そのため、図1のようなROIC逆ツリーを活用することで、各部門のKPIや現場レベルの主要施策へ落とし込み、全社一丸となって資本効率の改善目標達成を目指していきます。

図1 資本効率改善の取り組み
図1 資本効率改善の取り組み

キャッシュアロケーション計画

図2は中期経営計画「Beyond 2027」で掲げた今後3年間のキャッシュアロケーション計画です。

ジェネリック医薬品事業で生み出す営業キャッシュフロー約1,450億円と、米国事業・政策保有株等の売却資金約450億円の合計約1,900億円を原資とし、成長の源泉である研究開発投資をはじめ、生産能力増強のための設備投資や信頼性保証体制強化に資金を配分します。

図2 キャッシュアロケーション計画
図2 キャッシュアロケーション計画

株主還元・配当方針

当社では、株主の皆さまに対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして位置付けており、期待に応えるため、「株主還元・配当方針」を見直しました。

資本コストを一層重視し、安定的かつ継続的な配当を実施するうえで、基準とする指標を配当性向からDOEに変更し、3.0%以上とします。配当総額は本中期経営計画期間の3年間で190億円以上とし、あわせて330億円+αの自己株式取得を実行します。

今後の方針

財務管理体制のさらなる強化によって、KPI管理を徹底し、キャッシュ創出力の強化、効率的な投資、資源配分を通じて、中期経営計画の数値目標達成を目指してまいります。

サワイグループホールディングス 統合報告書2024

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