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社外取締役メッセージ

社外取締役メッセージ

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ステークホルダーのニーズに応え、企業価値を継続的に高めていくことが今後の課題

社外取締役
小原 正敏

弁護士としての経験・知見を活かし、経営に有用な助言・質問を

弁護士である社外取締役として心がけているのは、M&A案件に多く携わった経験と知見を活かして、法的リスクや実務上のトラブル予防などに有用な助言、質問等をすることです。当社の経営・業務執行がその前提となる事実関係において適切に把握され、方針の決定が所定の手続きに従ってなされているか、また、その結果の評価が適正になされ、経営に活かされているかの観点から質問し、意見を述べるようにしています。

たとえばトラストファーマテックのPMI(買収後の統合プロセス)については、製品の品質確保のために必要な体制や手続きの確立と、従業員の意識改革等を実現するための方策や実施状況を、社外取締役・監査役らで構成する社外役員連絡会で聴取しました。さらにその後の状況について取締役会で担当役員から説明・報告を求め、意見を述べました。

社会からの期待に応えるために必要な人事体制の実現を

私が委員長を務める指名・報酬等ガバナンス委員会は、米国事業や役員の査定、次期役員選任議案、報酬内規の改定、CEO等の後継者計画などを議題に、2022年度8回開催しました。このうち役員の報酬、人事については、ステークホルダーから見ても公正なものとなるよう、客観的な判断基準を慎重に策定し、答申を作成しました。

さらに今期は主要な役員に対するヒアリング等を実施し、より公正な判断ができるよう工夫しています。社会からの期待に応え、全社が一体になる質の高い医薬品を安定的に供給することはとりわけ重要です。そのために必要な体制の実現や必要な人事等を慎重に検討し、取締役会に答申することを心がけています。2023年5月の役員人事については、当社とグループ会社の社内体制・諸規程等の整備が一段落したことから、当社の中核事業であるジェネリック医薬品事業において、社会が求める安全で高品質な医薬品を安定的に供給し、そのことを通じて当社グループに対する社会からの信頼を一層向上させることができる体制とするため、生産・開発・安全性の各面の強化・推進が実現できる人事案を答申しました。

ガバナンス体制を有効に機能させることが重要

当社では、取締役会資料の事前配付だけではなく、取締役会付議事項に加え、経営会議で審議・報告された事項やその他の重要事項について情報を共有するため、定期的に社外役員連絡会を開催しています。また、各種委員会からの報告は、取締役会で相当な時間をかけてなされ、質問の機会も確保されています。

投資家とのコミュニケーションについては、最低四半期に1回、投資家とのミーティング状況に関する報告書が社外役員にも提供されています。以前には、有力な海外投資家とのIRミーティングに私も同席し、直接質問を受ける機会にも恵まれました。

当社では、各種規程・委員会等の整備などガバナンス体制の枠組みは構築されたと言えます。今後の課題は、医療関係者、株主、患者さん、従業員等のすべてのステークホルダーのニーズに応えられるよう、当社の企業価値を継続的に向上・発展させ、このガバナンス体制を有効に機能させることが重要になると考えます。

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ジェネリック医薬品の
リーディングカンパニーとして
サワイが進むべき道を念頭に

社外取締役
東堂 なをみ

“サワイ品質”の安定供給を変わることのない理念として

今、サワイは何をなすべきか、何ができるのかということを、 私は常に念頭に置いています。

まず、何をなすべきか、それは信頼のおけるサワイ品質のジェネリック医薬品を安定的に供給することだと考えます。そのために、サワイはトラストファーマテックの設立、第二九州工場における新固形剤棟建設など、安定供給に向けていち早く着手し努力してまいりました。品質管理を徹底し、信頼されるジェネリック医薬品をお届けすることへの投資にサワイの躊躇はありません。そして、これは今後も変わることのないサワイの理念です。

そのためには、サワイはこれ以上の価格の引き下げを看過するわけにはまいりません。最大の企業努力は、原価を下げることではなく品質を守ることになされるべきだということを、サワイは粘り強く訴えてまいります。このことは、ジェネリック医薬品のリーディングカンパニーとしてのサワイの責務と考えます。

“アンコンシャスバイアス”の排除

次になすべきことは、ダイバーシティ&インクルージョンの構築です。サワイは、すべてのジェンダーが等しく希望とプライドを持って働ける企業体制を構築すべく、「S-Wing」というプロジェクトを立ち上げました。これは「すべてのジェンダーに活躍してほしい」「全従業員に活躍してほしい」というサワイの思いによって立ち上げられたプロジェクトです。

無意識な思い込みや偏見、いわゆる“アンコンシャスバイアス”は、企業の成長を阻害する大きな要因のひとつです。このようなアンコンシャスバイアスは、ジェンダーに関するものはもちろん、職場環境のあらゆる領域で存在してはならないことです。

例えば、企業が必要とする職務内容(ジョブ)に適切な人財を採用するジョブ型雇用については、ある程度のシフトは、今後見据えていかなければならないことと認識しておりますが、「このスキルのある人しかこのプロジェクトはできない」とか「この責任者にはこんな経歴が必要だ」という考えは、ある意味アンコンシャスバイアスの上に成り立っているものと考えます。

未来への展望を明確に示せる企業になるために

私はすべてのアンコンシャスバイアスを排除して、従業員の方々と向き合いたい、従業員の方々の可能性を見出していきたい、そのための労を惜しみません。新しい流れはきっとこのような姿勢のなかから生まれ、こうした努力はサワイがジェネリック医薬品にとどまらない総合ヘルスケア企業として、健康管理アプリやサプリメント等の新しい事業を構築し成熟させ、皆さまの健康そのものに尽くす企業に成長していくことにつながっていくと考えるからです。

未来への展望をステークホルダーの皆さまに明確に示せる企業にサワイがなるよう努めてまいります。取締役会の出席はもちろんのこと、監査役と社外取締役との連携、プロジェクト担当者からのヒアリング等を通して、サワイの進む道が間違っていないかを常にチェックする役割を精力的に果たしてまいります。

サワイグループホールディングス 統合報告書2023

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