ガバナンスコーポレート・ガバナンス
基本的な考え方
当社は、当社および当社の子会社(以下「当社グループ」)全体の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、外部環境の変化に適切かつ迅速に対応する意思決定と業務執行のできる経営体制を構築するとともに、公正さと透明性の高い経営を実現していくにあたり、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な経営課題として位置付けています。
また、医療用医薬品を提供する生命関連企業をグループ中核会社に持つ当社としては、高い倫理観の維持・向上を図るため、企業グループ全体として、「なによりも健やかな暮らしのために」の共通の企業理念のもと、さまざまなステークホルダーに対して取るべき行動基準や各種社内規程に則った企業活動を進めます。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の模式図は、次のとおりです。
ガバナンス体制およびその採用理由
上記の基本的な考え方のもと、当社は、社外取締役の増員、指名・報酬等ガバナンス委員会の設置、持株会社への移行等により、取締役会の監督機能の強化と業務執行の迅速化の両立を図ることでコーポレート・ガバナンス改革を推し進め、取締役会における充実した審議による実効性の高い監督を行いつつ、持続的な成長に資する迅速な執行体制の構築を通じた企業価値の向上に努めてまいりました。
加速する外部環境の変化への対応力を一層強化し、更なる発展を遂げるため、2025年6月25日開催の第4回定時株主総会における承認を受け、当社は「監査役会設置会社」から、「監査等委員会設置会社」へ移行することとしました。また、当社グループの中核事業である医療用医薬品業界ならびに社内事情に精通した取締役が、高い倫理観を持って社内各所に目配りをしつつ業務運営に携わることが経営における効率性と適法性を追求する最善の方策であり、社外取締役および監査等委員会による経営の監督が機能する監査等委員会設置会社制度が、当社の企業規模や経営の進め方等を総合的に勘案し、最適と考え採用しています。
社外取締役には、企業経営、ヘルスケア、グローバル、医学・薬学、財務・会計・税務、法務・リスクマネジメント、サステナビリティ・ESGといった専門知識および経験と独立した社外の立場から有用な助言、判断、監査・監督の機能を期待しています。
監査・監督体制
当社では、監査等委員会規則、監査等委員会監査等基準、内部監査規程を整備し、監査等委員会、グループ経営監査室および会計監査人との連携を図り、監査・監督機能の強化を図ります。
常勤監査等委員はグループ戦略会議その他の重要な会議にも出席し、重要な決裁書類等の閲覧、本社および主要な事業所において業務および財産の状況の調査を行うとともに、監査等委員会に報告を行うことにより監査等委員である社外取締役との情報共有・連携・協力を図ります。また、常勤監査等委員は定例的に代表取締役と対話の機会を設けて意思疎通に努めるとともに、子会社の取締役等との情報交換を図り事業の報告を受けます。常勤監査等委員とグループ経営監査室長は、「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令」に基づく内部統制の整備および運用状況、業務監査、テーマ監査等に関する情報交換を都度行うほか、グループ経営監査室が作成する内部監査報告書は常勤監査等委員へも回付され、その内容は常勤監査等委員から監査等委員会に報告されます。
監査等委員会は主に業務監査(「業務の適性を確保するための体制」の整備・運用状況の監査)、会計監査人は主に会計監査の役割分担を行って監査効率の向上を図りますが、相互に情報交換および意見交換を行って監査に遺漏なきよう努めます。また、監査等委員会は定期的に監査基本計画の説明、監査概要報告を受けるなど、会計監査人の監査活動の把握を行っています。そのほか、監査部門(監査等委員会およびグループ経営監査室ならびに会計監査人)による事業所監査等を通じて監査の実効性の確保ならびに全社における徹底を目指しています。
各監査部門は、内部統制を推進する各部門から情報収集および意見交換を行って、内部統制の整備状況や運用状況を評価するとともに、必要に応じて内部統制委員会に対する報告、意見勧告等を通じて内部統制レベルの向上を図ります。
指名・報酬等ガバナンス委員会
当社の指名・報酬等ガバナンス委員会は、指名委員会と報酬委員会の双方の機能を担っており、その委員は取締役会の決議により選定された取締役により構成されています。委員会の委員長は、社内規程により委員の互選により選任された者が務めます。(一方、筆頭独立社外取締役は、社外取締役の互選により選任された者が務めます。)また、委員会で審議を行う事項と特別の利害関係を有する委員は、その決議に加わることができないことも要件にしています。
委員会の決議は、議決に加わることができる委員の過半数が出席し、出席委員の過半数をもって行うこととしています。
委員会では、ジェンダー等の多様性やスキルの観点を含め、経営陣幹部の選任・解任、最高経営責任者(CEO)等の選定・解職、最高経営責任者(CEO)等の後継者計画および経営陣幹部・執行役員の報酬ならびにこれらの基本方針、規則および手続等を主な審議対象とし、その審議結果を取締役会へ答申を行うこととしています。なお、監査等委員である取締役の選任・解任については、業務執行者からの独立性の確保、公正不偏の保持等、「監査等委員会監査等基準」に従い選任・解任について審議しますが、監査等委員会において事前に説明し承認を得た後、株主総会議案として取締役会へ答申されます。
また、取締役会は、委員会から受けた助言・提言を十分に尊重することを定めています。
委員長 | 社外取締役 |
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2024年度開催実績 | 7回 |
グループ戦略会議
取締役会に付議する重要事項に関する審議や取締役会で決議された事項の執行方針を協議・決定するほか、経営成績の分析・対策を検討しています。
議長 | 代表取締役社長 |
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2023年度開催実績 | 14回 |
グループサステナビリティ委員会
サステナビリティに関する当社グループの基本方針の審議および決定、サステナビリティの推進体制の構築および整備、ならびにグループ各社の推進体制構築および整備の支援、報告受領などを行います。
委員長 | 代表取締役社長 |
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2023年度開催実績 | 4回 |
グループガバナンス会議
当社グループ全体のガバナンス体制の構築・維持・改善を目的として4つの委員会で構成され、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図ります。
議長 | 代表取締役会長 |
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2023年度開催実績 | 1回 |
その他の各種委員会
グループ投資委員会
重要な投資案件および各事業年度の投資予算について検討・意思決定を行うに際し、客観的・合理的かつ慎重な審議を行います。
委員長 | 代表取締役会長 |
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2023年度開催実績 | 17回 |
グループリスクマネジメント委員会
当社および当社グループ各社が抱えるさまざまなリスクのマネジメント強化のため、リスクマネジメント統括を行うとともに、その進捗管理および評価を行い、継続的改善を図ります。
委員長 | 代表取締役社長 |
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2023年度開催実績 | 2回 |
グループコンプライアンス委員会
役職員に対する教育・啓発活動等の実施、企業倫理ヘルプラインに係る調査結果への対応のほか、当社グループ全体のコンプライアンス意識の向上に努めています。なお、2023年度は、沢井製薬の企業風土改革プロジェクトの一環として、2023年11月から毎月開催しました。
委員長 | 代表取締役社長 |
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2023年度開催実績 | 9回(うち企業風土改革プロジェクトによる開催:5回) |
グループ情報セキュリティ委員会
情報セキュリティに関する情報共有、課題への対応検討ならびに協議を行い、情報セキュリティマネジメントの円滑な遂行を図ります。
委員長 | 代表取締役社長 |
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2023年度開催実績 | 3回 |
ガバナンス強化の歴史
1995年 | 社外監査役が過半数化(3名中2名)体制 |
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2008年 | コンプライアンス委員会・内部統制委員会設置 |
2012年 | 独立社外取締役1名就任 |
2013年 | 取締役の報酬にストックオプション制度を導入 |
2015年 | CSR委員会(現グループサステナビリティ委員会)を設置 |
2015年 | コーポレート・ガバナンスに関する基本方針を制定 |
2015年 | 独立社外取締役に女性取締役が就任、独立社外取締役2名体制 |
2015年 | 情報セキュリティ委員会設置 |
2016年 | 取締役会の実効性評価開始 |
2017年 | リスクマネジメント委員会設置 |
2019年 | 指名・報酬等ガバナンス委員会設置 |
2020年 | 独立社外取締役割合が3分の1に |
2021年 | 持株会社化(グループガバナンスの強化) |
2021年 | 上場会社役員フォーラムに加入、取締役・監査役への情報提供・研修を強化 |
2023年 | 経営経験のある社外取締役が就任、独立取締役割合が半数(50%)に |
2025年 | 監査等委員会設置会社に移行 |
(注)2021年の持株会社化以前は沢井製薬の歴史