サステナビリティ社会貢献活動

当社グループは、事業そのものが社会課題の解決につながると考えており、医療費の増大と医薬品不足という社会課題に対し、高品質、高付加価値かつ先発品に比べて低価格なジェネリック医薬品を安定的に供給し続けることで、医療費の節減と社会的インフラの一翼を担う企業として貢献したいと考えています。すべての社員は、事業を通じて社会に貢献することを意識し、日々の業務に取り組んでいます。

また、当社グループ行動基準において、社会貢献への取り組みについて、次のように記載し、地域社会とも連携し、持続可能な社会の実現を目指します。

サワイグループ行動基準
第6章 社会とともに
2. 社会との共生

「良き企業市民」として、また、「一人ひとりがサワイグループの代表」として、地域社会との対話を通じて社会貢献活動等を行うことにより、健全で心豊かな社会の実現を目指します。

サワイグループ社会貢献活動方針

「なによりも健やかな暮らしのために」という企業理念のもと、事業そのものを通じて、人々の健やかな暮らしと医学・薬学、ヘルスケアの発展に貢献します。さらに、社会福祉、環境保全、災害復興、次世代育成などにも取り組みます。

  1. 「良き企業市民」として、すべてのステークホルダーとの継続的なエンゲージメントに努め、健全でサステナブルな地域社会との共存を目指します。
  2. 役員および従業員は、社会の健全な発展の担い手として、ボランティア活動の重要性を理解し、積極的に参加・支援を行います。

事業を通じた貢献

薬の付加価値のさらなる追求

ジェネリック医薬品の開発にあたり、薬にプラスαの価値をつけることを心がけています。例えば、飲みやすさを考慮した薬の小型化や、識別性を高めるための錠剤への印字、折り曲げて錠剤が取り出せるパッケージなど、製品ごとにさまざまな工夫を行っています。

これらの工夫を可能にする技術を磨いていく中で、薬の飲みやすさや扱いやすさを追求する沢井製薬の製剤技術群をブランド化したものが「SAWAI HARMOTECH®(サワイハーモテック)」です。SAWAI HARMOTECH®のさまざまな特許技術を活用し、薬の服用性や取り扱い性の向上、また社会的な課題である安定供給にも挑み続けることで、人々の健やかな暮らしの実現に貢献しています。

SAWAI HARMOTECH®の技術を見る新しいウィンドウで開きます

服薬時の不安への取り組み

薬を服用される患者さんは、それぞれに不安を抱えています。当社グループでは、こうした服薬にまつわる不安を少しでも和らげ、治療に取り組んでいただけるような医薬品の開発を行っています。

「サワイ」の文字を見たときに患者さんがホッとできる存在でありたい。科学的な知見をもとに、一人ひとりの気持ちに寄り添いたい。そんな想いから生まれた技術ブランドが「QualityHug®(クオリティハグ)」です。QualityHug®は、薬そのものを見ただけでサワイの薬だと分かったり、ニトロソアミンという発がん性物質の混入対策など、薬を飲む患者さんの心配や不安に寄り添い、科学と技術の力で応えていく沢井製薬のオリジナル技術です。

私たちは、薬を「安心して使えるもの」として社会に届けることが、健康な暮らしの実現につながると考えています。今後も、服薬に対する不安に科学と技術で向き合い、すべての人が安心して治療に専念できる社会づくりに貢献してまいります。

※2024年度グッドデザイン賞受賞

QualityHug®の技術を見る新しいウィンドウで開きます

健やかな暮らしを支える情報発信

当社グループの沢井製薬では、健康情報サイト「サワイ健康推進課」を通じて、一般の生活者を対象に、未病・予防、健康管理、医療制度、疾患啓発など多岐にわたるテーマを、専門家の監修のもと、中立性・信頼性・分かりやすさを重視して継続的に発信しています。

2024年度には、年間ページビュー約4,270万、年間ユニークユーザー数約2,340万を有しており、多くの方々にご覧いただいている人気コンテンツとなっています。今後も、「なによりも健やかな暮らしのために」というグループ企業理念のもと、社会全体の健康意識の醸成と健康増進に努めてまいります。

健康情報サイト「サワイ健康推進課」新しいウィンドウで開きます

医療・福祉

「どこでも万博」プロジェクトへの協賛

当社グループの沢井製薬は「スペシャルキッズ未来構想チャレンジコンソーシアム」※1が推進する「どこでも万博」プロジェクト※2に協賛しています。

「どこでも万博」プロジェクトは、2025年大阪・関西万博の開催に合わせて、重い病気や難病、障がいのために実際の万博会場に行くことが難しい子どもたち(「スペシャルキッズ」)のために企画された取り組みです。テレプレゼンスアバターロボットを活用し、万博会場のパビリオンと医療機関や自宅をつなぐことで、子どもたちが現場と交流することができる体験型イベントを実現します。これは、子どもたちとともに「未来社会」を創り上げる実験でもあります。

また、このプロジェクトによって培われたテクノロジーやノウハウは、万博終了後もスぺシャルキッズのためのさまざまな体験に活用されていく予定です。

実際のイベントでは、会場となった医療機関に入院または通院している子どもたちとその保護者、約100名が参加しました。イベントでは、万博で人気のパビリオンとリアルタイムで接続し、アバターロボットを活用したパブリックビューイングを実施。まるで万博会場にいるかのような臨場感あふれる体験を提供しました。

子どもたちがパビリオンに呼びかけると、現地の担当者が応じて展示内容を説明したり、クイズに挑戦したりする場面もあり、会場は笑顔と活気に包まれました。

※1 「スペシャルキッズ」たちにテクノロジーでさまざまな世界・可能性を提示していくことを目標に、大阪の小児脳神経内科医の思いに賛同した企業で組成した任意団体です。

※2 2025年日本国際博覧会 『未来社会ショーケース事業出展』「スマートモビリティ万博」において、「ロボットエクスペリエンス」の参加予定者として決定しているプロジェクトです。

国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会への協賛

当社グループの沢井製薬は、毎年2月に大阪市で開催される「国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会」のスペシャルスポンサーとして協賛しています。本大会は、世界各国の女子車いすバスケットボールチームが参加し、熱戦を繰り広げる国際大会です。大会を通じて、障がいのある方々への理解促進や、スポーツを通じた国際交流の場を提供しています。

また、大会期間中には、地域住民と各国選手団との交流イベントや、実際に車いすバスケットボールを体験できるプログラムも実施されており、子どもから大人まで多くの方々が参加しています。これらの活動を通じて、障がいの有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しみ、互いに理解し合う社会の実現を目指しています。

当社は今後も、本大会への協賛をはじめ、スポーツ振興や多様性の尊重、地域社会との連携を大切にし、社会貢献活動に積極的に取り組んでまいります。

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※ 国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会のWebサイトに移動します。

メディカル指南車への協賛

当社は、データベース技術を活用し、地域医療に貢献する「特定非営利活動法人メディカル指南車」の活動に協賛しています。技術の進歩に伴い画像診断の重要性が高まっていますが、画像診断の十分なスキルを持つ専門医は不足しています。メディカル指南車は、大学病院が保有する画像診断の知識・経験や症例をコンピュータ(AI)に教え込むことによって、コンピュータ(AI)が医療従事者をサポートしながら育成することできる「画像診断ナレッジサービス『読影指南』」を提供し、専門医が不在の中小病院や診療所の医療従事者の皆さまにも画像診断能力を共有する仕組みを提供している団体です。

メディカル指南車新しいウィンドウで開きます

※ 特定非営利活動法人メディカル指南車のWebサイトに移動します。

日本母乳バンク協会への協賛

当社グループの沢井製薬は、「母乳バンク」の運営を担う「一般社団法人日本母乳バンク協会」の活動に協賛しています。母乳バンクは、ご自身の乳児が必要とする以上に母乳がたくさん出る母親から寄付された母乳を、適切に低温殺菌処理・細菌検査・冷凍保管し、母乳を必要とする乳児に提供する仕組みです。2017年に設立された母乳バンク協会は、その認知度の向上に伴って年々活動を拡大させており、小さな命を救うことにつながるという社会的意義に賛同し、その活動を支援しています。

日本母乳バンク協会新しいウィンドウで開きます

※一般社団法人日本母乳バンク協会のWebサイトに移動します。

「認知症サポーター養成講座」の受講

大阪市淀川区東部地域包括支援センターの方にご講演いただき、認知症の方とそのご家族の方々の気持ちや認知症の基礎知識、認知症の方への接し方を学ぶ「認知症サポーター養成講座」を開講し、当社グループ社員が受講しました。この講座はサポーターとしてできることを学ぶ機会で、受講を終了すると「認知症サポーター」になることができます。これまで当社グループ社員のうち計185名に、認知症サポーターの証であるオレンジリングが授与されました。

がん患者さんへの寄付を行うピンクリボン運動に協賛

当社グループでは、2021年2月から一部の自動販売機の契約を更改し、ピンクリボン活動への寄付型に変更しました。自動販売機は、本社、工場、営業支店などに設置されており、対象機器にはピンクのラッピング等が施されています。売上のうち一部が乳がんで悲しむ人、苦しむ人をひとりでも減らすことを目標とした活動を支える団体に寄付されます。

環境保全

大阪府アドプトフォレスト制度への参画

当社は、大阪府「アドプトフォレスト制度」を活用した森林と里地(農地)の保全活動に参画しています。私たちは、地域の自然環境を守り、持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、積極的に森林保全活動に取り組んでいます。

アドプトフォレスト制度は大阪府の森林で森づくり活動への参画を希望する企業・団体と森林所有者を大阪府がマッチングする制度で、企業や団体が「里親」となり、一定期間にわたり特定の森林の管理や里地(農地)の保全活動を行う取り組みです。間伐や下草刈り、植樹などの森林整備をはじめ、環境学習や地元自治会有志の方々との地域交流など、さまざまな活動を通じて、持続可能な森林づくりと里山(農地)保全を目指しています。

森林は、地球温暖化防止や生物多様性の保全、水源の涵養など、私たちの暮らしに欠かせない役割を果たしています。しかし、近年は森林の荒廃や担い手不足が課題となっています。また、里地(農地)に対しても、遊休農地の増加により山間部と里地との境界があいまいになっていることによるシカなどの獣害対策にも貢献します。アドプトフォレスト制度は、企業や団体が主体的に森林および里地の保全に関わることで、地域の自然環境を守り、次世代へ豊かな森、里山・里地を引き継ぐことを目的としています。また、こうした活動を通じて、環境意識の向上や地域社会とのつながりの強化にもつながっています。

絶滅危惧種「イタセンパラ」保全活動への参加

当社は、国の天然記念物であり絶滅危惧種に指定されている淡水魚「イタセンパラ」の保全活動に参加しています。イタセンパラはコイ科タナゴ亜科に属する小型の魚で、かつては淀川をはじめとする関西地方の河川で広く見られました。しかし、河川環境の変化や外来魚の増加、生息地の減少などにより、その数は急激に減少し、現在では環境省レッドリストの絶滅危惧種に指定されています。

イタセンパラは、淀川の「生物多様性民間参画パートナーシップ」行動指針のシンボルフィッシュにも選ばれており、地域の生物多様性を象徴する存在です。私たちは、当社発祥の地にほど近い大阪市旭区の城北ワンドにて、年2回、外来魚の駆除や河川敷の清掃活動を実施しています。これらの活動は、イタセンパラが安心して生息・産卵できる環境を守るために欠かせないものです。

また、保護活動を通じて、社員一人ひとりが生物多様性や環境保全の大切さを学び、地域社会とのつながりを深める機会にもなっています。今後もイタセンパラをはじめとする貴重な生きものたちの命を未来へつなぐため、継続的に保全活動に取り組んでまいります。

各事業会社の環境保全の取り組みは、各社コーポレートサイトをご覧ください。

沢井製薬の環境保全の取り組み新しいウィンドウで開きます

地域貢献

工場見学会の実施

当社グループでは、医療アクセスの向上にはジェネリック医薬品への理解が不可欠であると考え、さまざまな立場の方々を対象とした工場見学会を積極的に開催しています。児童や学生の皆さんをはじめ、地元自治会やPTA、さらには医療機関の関係者など、多様なグループにご参加いただいています。

見学会では、ジェネリック医薬品がどのような工程を経て製造されているのか、実際の現場を間近でご覧いただきながら、品質管理や安全性確保のための取り組みについても詳しくご説明しています。また、参加者の皆さまからのご質問にも丁寧にお答えし、医薬品に対する疑問や不安を解消できるよう努めています。

この活動を通じて、当社グループやジェネリック医薬品についての理解を深めていただくだけでなく、地域社会の一員として信頼され、身近に感じていただける存在でありたいと考えています。今後も、地域の皆さまとの交流を大切にしながら、工場見学会を継続してまいります。

献血活動

輸血用血液は人工的につくることができず、長い期間にわたり保存することもできないため、安定的に輸血医療を支えていくために継続的な協力が不可欠です。当社グループでは、40年以上の長年にわたり、社員を対象にした献血活動を実施しています。少子高齢化社会を迎え、献血する世代(若年層)の減少により血液不足が全国的に深刻化していますが、すべての人に健やかな暮らしを実現する取り組みの一つとして、当社グループでは、全国の事業所で献血活動を継続していきます。

ふくい桜マラソン

福井県は、全都道府県で唯一フルマラソンの開催がない空白地帯でしたが、2024年の北陸新幹線の延伸に合わせて開催された「ふくい桜マラソン」に、当社グループのトラストファーマテック社が協賛しました。世界を目指すトップランナーの輩出、県内ジュニア選手の育成やデジタル技術の活用など「一番最後だけど一番新しい、新世代のフルマラソン」である大会は、「はしる、みる、ささえる+つながるフルマラソン」がコンセプトとなっており、地域の方のみならず世界の皆さんの活力につながることを期待しています。

次世代育成の支援活動

ユニセフ募金

世界の子どもの命と未来を守るユニセフ活動の趣旨に賛同して、さまざまな形で社員からユニセフ募金活動を行っています。2014年より社員から家庭にある古本を持参してもらい、その売却益をユニセフに寄付しています。また、2022年には、ウクライナで被害に遭われた方々やその周辺地域に避難を余儀なくされている方々への人道的支援のため、ユニセフを通じて寄付を行い、紺綬褒章に係る褒状が授与されました。

『ジェネリックのひみつ』の発刊

当社グループの沢井製薬は、「学研まんがでよくわかるシリーズ」の一つとして、『ジェネリックのひみつ』を監修し、全国約21,500校の小学校および約3,200館の公立図書館に寄贈しました。当シリーズは日本PTA全国協議会の推薦を受け、教育現場の副教材としても使われている小学生向け学習漫画で、20年以上にわたり愛読されています。『ジェネリックのひみつ』では、ジェネリック医薬品の特徴や製造方法、国の医療費抑制に貢献できることなどを、わかりやすく小学生の皆さんに伝え、また、ご家族の方にも参考になる「コラム」も掲載しています。本書を通して、ジェネリック医薬品に対する子どもたちの興味・理解が深まり、より豊かな社会の実現に貢献するきっかけになればと考えています。

ジェネリックのひみつ新しいウィンドウで開きます

※ 学研グループ・Gakkenの関連会社ワン・パブリッシングが運営するWebサイト「学研キッズネット」に移動します。

災害支援の取り組み

地震等の災害に遭われた人々が、少しでも早く復興して健やかな暮らしを取り戻すことができるよう、ささやかながら災害義援金を提供しています。また、社員からの災害支援の意思を尊重し、2024年から社員が拠出する寄付金額と同額を会社が上乗せ(マッチング拠出)して寄付する取り組みも開始しました。その他、社員の福利厚生の一つであるカフェテリアプラン制度のメニューとしてユニセフ募金を設けるなど、社員が寄付しやすい環境も整備しています。

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