新規事業
主力のジェネリック医薬品事業に加え、グループの持続的な成長を目指し、デジタル・医療機器などの新規事業の育成にも取り組んでいます。「人々の健やかな暮らし」を提供する総合ヘルスケア企業グループとして、未病・予防の分野から、薬物治療に加えて新たな選択肢の幅を広げるための治療分野まで、人々の健康への貢献を目指した挑戦を続けています。
担当役員メッセージ
患者さんに新たな選択肢を提供することで、健やかな暮らしの実現に貢献します
- 上席執行役員 グループ製品戦略部担当役員 兼
グループ研究開発副統括役員 兼 グループ製品戦略部長 - 澤田 豊博

「レリビオン」は、サワイグループとして初めての医療機器事業の取り組みであり、2023年末には厚生労働省より製造販売承認を得ております。現在は多くの関連学会、規制当局との議論を重ね、発売に向けた準備をしています。信頼性保証本部や研究開発本部をはじめとする様々な部門の英知を集めて、前例のない課題に対して全社で一丸となって取り組んでいます。現在の薬物療法を中心とした片頭痛治療に対して、非薬物療法として場所を選ばず自宅でも使用可能な医療機器という新たな選択肢を提供できることは、片頭痛に悩む多くの患者さん、医療従事者の方々に対して高い価値を提供できると考えています。
今回の取り組みを通して、ジェネリック医薬品事業に加えて医療機器を取り扱う社内体制を構築できました。今後は、様々な治療オプションの提供にも取り組むことでアンメットメディカルニーズを充足し、「なによりも健やかな暮らしのために」の実現に貢献することを目指します。
1.非侵襲型ニューロモデュレーション機器「レリビオン」
片頭痛の急性期治療に用いるニューロモデュレーション機器の
製造販売承認を得て、販売に向けた準備を進めています
沢井製薬が開発した非侵襲型ニューロモデュレーション機器「レリビオン」は、片頭痛の急性期治療に在宅で使用される医療機器としては国内で初めて製造販売承認を取得しました。
「レリビオン」は頭部に装着して使用します。経皮的に三叉神経及び後頭神経へ電気刺激を与え、片頭痛急性期の疼痛を緩和する目的で使用されます。自宅でも使用可能で、薬物治療しか選択肢がない片頭痛の急性期治療の幅を広げる医療機器として期待されています。
株式会社CureAppが提供する治療アプリ処方プラットフォーム「APS※」を流通プラットフォームとして採用し、保険適用・販売開始後は、「APS」を通して全国の医療機関で処方が開始される予定です。
- ※App Prescription Service

「レリビオン」
2. 減酒治療補助アプリ「HAUDY(ハウディ)※」
国内で初めて製造販売承認された、アルコール依存症を適応とした
治療補助アプリを早期に上市し、社会的な課題解決に貢献していきます
アルコール依存症に対する減酒治療補助アプリ「HAUDY(ハウディ)※」について、本アプリを開発した株式会社CureAppと2024年8月に販売ライセンス契約を締結しました。2025年2月には同社が、アルコール依存症を適応とした治療補助アプリとして、国内初の製造販売承認を取得しました。沢井製薬は2025年中の保険適用と上市を目指し、準備を進めています。
アルコール依存症は、アルコールに対して精神依存や身体依存をきたす疾患です。疾患を自覚していない潜在患者さんも多く、早期治療につながらないことが大きな課題になっています。
この減酒治療補助アプリは、減酒が目標となり得る患者さんを対象に、心理社会的治療を補助します。患者さんが「患者アプリ」に入力した日々の飲酒量や体調をもとに、個別化された目標を提案し、減酒に向けた行動変容を促します。医師は「医師アプリ」を通じて患者さんの日々の飲酒状況や必要な支援を確認できるため、診療の質の向上が期待できます。
- ※HAUDY(ハウディ)の販売名は「CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリ」です。

- FrontAct株式会社の株式取得(子会社化)の合意に関するお知らせ
- 当社グループは、医療・介護・福祉・健康・生活等に関する製品、ソフトウェアやシステムの研究、開発、製造、販売、貸与及び輸出入等を行っているFrontAct 株式会社(東京都中央区)の全株式を取得し、子会社化することを、2025年3月に住友ファーマ株式会社と合意しました。FrontAct株式会社は、ヘルスケアに関する種々の課題に対し、デジタル技術を用いた新たなソリューションを提供しており、生体信号処理技術と疾患予測アルゴリズムを用いた事業開発に強みを持っています。当社グループは、新規事業として取り組んでいるデジタルヘルスケア事業に同社を加えることで、製品ラインアップの拡大とともに、専門人財やノウハウを獲得し、事業基盤の強化と成長を図っていきます。