人的資本戦略(人事部担当役員メッセージ)
- 執行役員 グループ人事部担当役員
- 髙橋 一郎
持続可能な社会の実現に貢献するために、
人財への継続的な投資を行い、
一人ひとりの成長を支援していきます
企業理念と人財戦略
サワイグループは、「なによりも健やかな暮らしのために」という企業理念のもと、事業活動を展開しています。特に、ジェネリック医薬品事業においては、沢井製薬の理念である「なによりも患者さんのために」を実現するため、従業員一人ひとりが日々の業務に真摯に取り組んでいます。
現代社会はVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代と呼ばれ、社会情勢やビジネス環境はかつてないほど複雑かつ急速に変化しています。これまでの常識や成功体験が必ずしも通用しない場面も増えており、企業経営においては柔軟かつ迅速な対応が求められています。
このような時代において、企業の持続的な成長を支える基盤は「人」です。私たちは、従業員一人ひとりを、企業価値を創造する「人財」として捉えています。人的資本を経営戦略と一体化させることが、今後の企業成長に不可欠であると考えています。
そのため、当社グループでは、柔軟な働き方の推進や、キャリア形成を支援する研修・教育制度の充実、ID&E※の推進など、従業員が最大限に能力を発揮できる働きやすい環境づくりに注力しています。また、従業員の成長を積極的に支援する一方で、従業員には、現状に満足することなく、常に新たな視点で課題を発見し、改善に向けて挑戦する姿勢を求めています。
例えば、製薬会社として極めて重要なSOP(標準作業手順書)を遵守する業務においても、単に法令を守るだけでなく、「なによりも患者さんのために」という企業理念を実現するために、日々の業務を常に改善の視点で見つめ直すことが不可欠です。そのためには、自己研鑽を怠らず、自身の能力向上に努めることが求められます。会社としても、従業員の成長を支援するための環境や機会を提供し続けますが、学び続ける自己鍛錬の姿勢や主体的な行動は、最終的には個々の意識にかかっています。
私たちは、人財育成を企業の中核と位置付け、その仕組みを継続的に構築・強化していきます。すべての従業員が最高のパフォーマンスを発揮し、一人ひとりが活き活きと活躍できる環境を整え、会社とともに成長していくことを目指します。
- ※Inclusion, Diversity & Equityの略。当社グループでは、各人の持つバックボーン(人種・国籍・性別・年齢等)の違いを理解し、認め合うこと(=Inclusion)、各人のバックボーンを問わずに人財を活用し(=Diversity)、公平に取り扱うこと(=Equity)の3つを重視することを方針として定めている。
中期経営計画「Beyond 2027」の達成に向けて
当社グループは、2030年度に目指したい将来のビジョン「Sawai Group Vision 2030」を掲げ、その実現に向けて、2027年までの具体的な道筋を中期経営計画「Beyond 2027」で示しています。2030年には、250億錠以上の生産能力を確保し、より高品質で製剤技術に優れた製品を安定的に供給することで、多くの「患者さんのために」を実現し、社会全体の健康と安心に貢献することを目指しています。こうした取り組みを通じて、当社グループの売上収益も3,000億円の達成につながると考えています。
この目標を実現するためには、研究開発、品質管理、品質保証などの主要な業務領域のレベルアップが不可欠です。そして、これらを支える「人財の確保」と「一人ひとりの成長支援」が今まで以上に重要となってきます。近年の少子高齢化の影響により、人財の確保はますます厳しさを増していますが、当社グループでは新卒採用だけでなく、中途採用も積極的に行い、多様なバックグラウンドを持つ人財を受け入れることでひとつ上の品質の医薬品を安定して供給できる体制を築いています。
また、当社グループを数ある企業のなかから選んでいただけるよう、「働きがい」のある魅力的な会社づくりにも積極的に取り組んでいます。人事施策としては、①全事業所で順次開催しているタウンホールミーティングによる経営層と従業員の対話促進、②半期ごとの従業員エンゲージメント調査の実施と、その結果に基づく改善策の展開、③従業員自身が描くキャリアプランと会社のニーズを両立させる社内公募制度、④育児と仕事の両立を支援する育児目的休暇の新設、⑤従業員の生活環境に配慮した遠隔地勤務制度の導入検討、⑥職務開発による障がい者採用の拡大、⑦上長とともに進める女性リーダーの育成など、多岐にわたる施策を検討及び展開しています。これらの取り組みを通じて、従業員一人ひとりが「働きがい」を感じ、最大限に能力を発揮できる環境づくりに注力しています。今後も、従来の枠組みにとらわれることなく、新たな人事施策にも積極的に挑戦し、より魅力ある会社となることを目指します。
また、当社グループでは、ID&Eの推進にも力を入れています。現在は特に女性活躍推進に重点を置いていますが、人種、国籍、性別、年齢などあらゆる多様性を尊重し、すべての従業員が互いに認め合い、個々の能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指しています。
企業競争力の源泉である人財
私たちは、沢井製薬の「なによりも患者さんのために」という企業理念をこれからも大切にしながら、「真心」「挑戦」「願い」という3つのメッセージを胸に刻み、当社グループの全従業員が心をひとつにして、社会に貢献し続ける企業でありたいと願っています。また、すべての従業員が自らの能力を最大限に発揮し、活き活きと活躍できる環境づくりに、今後も不断の努力を重ねてまいります。
私たちは、人財こそが当社グループの持続的な企業競争力の源泉であると確信しています。従業員一人ひとりの成長と挑戦が、企業の未来を切り拓き、より多くの患者さんや社会の期待に応えていく原動力となります。これからも当社グループは、全従業員とともに、皆さまの健やかな毎日と安心できる社会の実現を目指して歩み続けます。
- 企業価値を高める人財戦略